歯ぎしりの原因から対策まで、医師が徹底解説!

歯ぎしりの原因から対策まで、医師が徹底解説!
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「歯ぎしり」は、多くの人々が経験する口腔内の問題の一つです。

具体的には、上下の歯を強く擦り合わせる行為を指します。
歯ぎしりは、多くの場合、無意識に行われ、特に睡眠中に起こることが多いです。
歯ぎしりは単なる習慣と考えられがちですが、実はその背後にはさまざまな原因が存在し、無視すると口腔内はもちろん、全身の健康にも影響を与える可能性があります。

ここでは、歯ぎしりに関する疑問や問題について、以下のような疑問や悩みを持つ方々に向けて、具体的な解決策を解説します。

  • 歯ぎしりを直したい、気にしている方: 歯ぎしりの主な原因と、それに対する即効性のある対策を紹介します。
  • 家族から歯ぎしりを注意されている方: 家庭で簡単にできる対策や、専門医による治療方法を解説します。
  • 肩こりや首のコリなど調子が悪いが原因がわからない方: 歯ぎしりと他の健康問題との関連性についても触れ、総合的な健康改善のヒントを提供します。

 

「歯ぎしり」とは何か?

歯ぎしりとは何か?

歯ぎしりは、一般的には上下の歯が強く接触し、摩擦を生じる行為のことです。
この現象は「無意識のダンス」とも呼ばれることがあり、多くの場合、睡眠中や集中しているときに無意識に行われます。

一見、単なる習慣や癖に見えるかもしれませんが、実はこの歯ぎしり、口腔内だけでなく全身に影響を及ぼす隠れた「健康の敵」なのです。

医学的には、歯ぎしりは「ブラキシズム」とも呼ばれ、その成因は一概には言えませんが、ストレス、不安、噛み合わせの問題、さらには神経系の疾患まで、多岐にわたる要因が絡み合っています。
特に、このブラキシズムが長期にわたって続くと、歯の摩耗はもちろん、顎関節症や筋肉痛、さらには頭痛や耳鳴りといった全身的な症状を引き起こす可能性があります。

「ブラキシズム」には、主に以下の3種類があります。
● グラインディング:上下の歯をギリギリと擦り合わせる習癖。歯ぎしりは主にこれに該当します。
● クレンチング:上下の歯を強く咬み合わせる習癖。食いしばり・咬みしめはこれに該当します。
● タッピング:上下の歯をカチカチと咬み合わせる習癖

歯ぎしりの主な原因は?

ストレスとの関連性による要因

ストレスは、歯ぎしりの最も一般的な原因の一つです。
日常生活の中で感じるストレスが、無意識のうちに歯ぎしりという形で現れることが多く、特に、仕事や人間関係、家庭の問題などがストレスの主な源泉となります。

ストレスが高まると、自律神経が乱れ、それが顎の筋肉に緊張をもたらし、歯ぎしりを引き起こす場合があります。

噛み合わせや骨格の影響による要因

歯の噛み合わせや顎の骨格も、歯ぎしりの原因となる場合があります。
特に、噛み合わせが悪いと、歯が自然な位置に収まらず、それが歯ぎしりを引き起こす要因となります。
また、顎の骨格に問題があると、それが筋肉に負担をかけ、歯ぎしりを引き起こすことがあります。

習慣性の歯ぎしり

一部の人には、特定の状況や時間帯に歯ぎしりをするという習慣性が見られます。
これは、特にストレスや噛み合わせに問題がない場合に、よく見られる現象です。
習慣性の歯ぎしりは、意識的な努力で改善する可能性が高いです。

子どもに特有の原因

子どもの場合、歯ぎしりの原因は大人とは異なる場合が多いです。
乳歯と永久歯が交錯する時期、成長期における顎の成長、または学校や友達との関係に起因するストレスなどが、子ども特有の原因とされます。

このように、歯ぎしりの原因は多岐にわたります。
それぞれの人によって異なる要因が影響するため、医師としては、これらの原因を正確に診断し、個々に合わせた治療を提案することになります。

ストレスが引き起こす歯ぎしりとは?

ストレスが引き起こす歯ぎしりとは?

ストレスと歯ぎしりの関連性は、多くの研究で明らかにされています。
ストレスがどのように歯ぎしりを引き起こすのか、その解消法も含め、詳しく解説します。

ストレスの種類と歯ぎしり

ストレスは多種多様であり、それぞれが歯ぎしりに異なる影響を与えます。

  • 仕事、人間関係、家庭などからくる心理的ストレスによる精神的な負担は、無意識のうちに歯ぎしりを引き起こすことが多いです。
  • 身体的ストレスとなる 疲労や睡眠不足も、歯ぎしりの一因となる場合があります。特に、疲労が蓄積すると、顎周りの筋肉が緊張しやすくなります。
  • 騒音や温度、湿度などの外部環境も、環境的ストレスとして歯ぎしりを引き起こす可能性があります。

ストレス解消の方法とその効果

ストレスが歯ぎしりの主な原因である場合、ストレスを解消することが最も効果的な治療方法です。

  • 運動はストレスホルモンを減少させ、リラックスを促します。特に、有酸素運動が効果的です。
  • 深呼吸や瞑想は、自律神経を整える効果があります。これにより、筋肉の緊張が和らぎ、歯ぎしりが減少する可能性があります。ヨガなどおすすめです。
  • 睡眠の質を高めることで、ストレスが減少し、歯ぎしりの頻度も減る可能性があります。
  • 重度のストレスが続いている場合は、心理専門家のカウンセリングを受けることも有効です。

噛み合わせによる歯ぎしり

噛み合わせの問題は、歯ぎしりに大きな影響を与えることがあります。
歯の噛み合わせが悪い場合にどのような問題が起こるのか、そしてその調整方法について詳しく解説します。

歯の噛み合わせが悪いとどうなるか

歯の噛み合わせが悪いと、以下のような問題が起こる可能性があります。

  • 歯の摩耗: 歯が正しく噛み合わないと、歯が異常に摩耗し、その結果、歯ぎしりが引き起こされる場合があります。
  • 筋肉の緊張: 噛み合わせが悪いと、顎周りの筋肉に緊張が生じます。これが歯ぎしりや顎関節症を引き起こす可能性があります。
  • 全身への影響: 噛み合わせの問題は、首や肩、背中にも影響を与える場合があります。これがさらに歯ぎしりを悪化させる可能性があります。

歯科医による噛み合わせの調整

噛み合わせの問題が確認された場合、以下のような治療が考慮されます。

矯正治療

歯の位置を調整することで、噛み合わせを改善します。これにより、歯ぎしりが減少する場合があります。

咬合調整(こうごうちょうせい)

歯の形状を微調整することで、噛み合わせを改善する方法です。これは、比較的短期間で効果が見られる場合があります。

マウスガード

特に歯ぎしりがひどい場合、マウスガードを使用して歯と歯が直接接触するのを防ぐ方法もあります。

噛み合わせの問題は、歯ぎしりに多大な影響を与える可能性があります。そのため、早期の診断と適切な治療が必要です。

習慣性の歯ぎしり

習慣性の歯ぎしりは、特定の状況や活動中に無意識に行われることが多いです。
スポーツや仕事中によく見られる習慣性の歯ぎしりと、その改善方法について解説します。

スポーツや仕事中の歯ぎしり

  • 特に集中が必要なスポーツや、高い緊張感が伴うスポーツで歯ぎしりが起こることがあります。
    これは、アドレナリンの分泌が多くなることで、筋肉が緊張しやすくなるためです。
  • 緊急の仕事やプレッシャーがかかる状況で、無意識に歯ぎしりをしてしまう人も少なくありません。
    特に、デスクワークで長時間同じ姿勢を取っていると、顎の筋肉にも緊張が生じやすくなります。

習慣を改善する方法

  • 意識的なリラックス: スポーツや仕事の合間に深呼吸をする、ストレッチを行うなどして、筋肉の緊張を解くことが重要です。
  • 環境を調整する: 作業環境やスポーツ用具の調整も効果的です。例えば、適切な椅子やデスクの高さ、スポーツ用具のフィッティングなど。
  • マウスガードを使用する: スポーツ中特に歯ぎしりがひどい場合は、マウスガードを使用することで、歯の摩耗を防ぐことができます。
  • 専門家のアドバイスを受ける: 習慣性の歯ぎしりが改善しない場合は、歯科医や心理専門家のカウンセリングを受けることも有効です。

習慣性の歯ぎしりは、特定の状況や活動中に無意識に行われることが多いですが、その改善は十分可能です。

子どもの歯ぎしりはどのように対処すれば良い?

子どもにも歯ぎしりは見られますが、その原因や対策は大人とは異なる場合が多いです。
特に乳歯から永久歯への生え変わり期に多く見られる歯ぎしりと、親ができる対策について解説します。

乳歯と永久歯の生え変わり期

この時期は、歯の成長とともに顎の骨格も変化します。
その結果、噛み合わせが一時的に悪くなることがあり、それが歯ぎしりを引き起こす可能性があります。

  • 乳歯は永久歯に比べて柔らかいため、歯ぎしりによる摩耗が早く進む可能性があります。
  • 永久歯が生え始めると、その配置が乱れやすく、噛み合わせが不安定になる場合があります。

親ができる対策

定期的な歯科検診を受ける

子どもの歯の成長を定期的にチェックし、必要ならば早期の矯正治療を行います。

ストレスを軽減する

学校生活や友達関係でのストレスも、子どもの歯ぎしりに影響を与える可能性があります。親としては、子どもの心のケアを怠らないようにしましょう。

良い口腔習慣の教育する

歯磨きやフロス、正しい噛み合わせの習慣を子どもに教えることで、歯ぎしりの予防につながります。

安定した睡眠環境を作る

子どもが安心して眠れる環境を作ることで、無意識のうちに起こる歯ぎしりも減少する可能性があります。

子どもの歯ぎしりは、成長過程や心理的な要素が大きく影響しています。
親としては、これらの要素に注意を払うようにしましょう。

歯ぎしりの実用的な対策方法は?

歯ぎしりの原因と対策について多角的に解説してきましたが、具体的な日常での対策について、ナイトガードの選び方、質の良い睡眠の取り方、そしてリラクゼーションやマインドフルネスについて詳しく解説します。

ナイトガードの選び方と使用方法

  • 選び方: ナイトガードは一般的にOTC(Over The Counter)製品として購入できますが、最も効果的なのは歯科医が作成するカスタムメイドのものです。
  • 使用方法: 正確なフィット感が重要です。装着前には必ず歯を磨き、ナイトガードも清潔に保ちましょう。
  • 注意点: 長期間同じナイトガードを使用すると、歯の形状に合わなくなる可能性があります。定期的なチェックと必要に応じての交換が必要です。

質の良い睡眠を得るためのテクニック

  • 部屋の温度、湿度、明るさなど、快適な睡眠環境を整えることが基本です。
  • カフェインやアルコールの摂取を避け、リラックスできる活動(読書、お風呂など)の就寝前のルーティンを取り入れましょう。
  • 体内時計を整えるために、できるだけ一定の時間に就寝・起床することが推奨されます。

リラクゼーションやマインドフルネス

  • ストレスや緊張を感じたときには、深呼吸を数回行うことで、自律神経が安定します。
  • 瞑想やマインドフルネスは、心地よい状態に導くテクニックとして有効です。これにより、歯ぎしりの頻度が減少する可能性があります。

日常生活で手軽に取り入れられる対策も、歯ぎしりの改善には非常に効果的です。

歯ぎしりに関するよくある質問

歯ぎしりに関するよくある質問について専門的な視点から回答します。

Q1: 歯ぎしりは何歳から始まるのですか?

歯ぎしりは年齢に関係なく発生する可能性があります。乳幼児期から見られる場合もあれば、大人になってから始まるケースもあります。

Q2: 歯ぎしりはストレスが原因だけなのですか?

ストレスは一因ですが、噛み合わせの問題、睡眠障害、あるいは特定の薬物の副作用など、多くの要因が関与しています。

Q3: ナイトガードはどれくらいの期間使えますか?

ナイトガードの寿命は使用頻度や素材によりますが、一般的には6ヶ月から1年程度です。定期的な歯科検診でのチェックが推奨されます。

Q4: 歯ぎしりを止めるための最も効果的な方法は何ですか?

最も効果的な方法は個々の症状と原因に応じて異なります。一般的には、ストレス管理、噛み合わせの調整、そして適切な睡眠環境の確保が基本的な対策とされています。

Q5: 歯ぎしりは自然に治ることはありますか?

一時的なストレスや特定の生活習慣が原因であれば、その要因がなくなれば自然に治る可能性もあります。しかし、放置すると歯や顎に悪影響を及ぼす可能性が高いため、早めの対策が推奨されます。

Q6:歯ぎしりは遺伝しますか?

歯ぎしりが遺伝するかどうかについては、明確な科学的証拠はまだ限られています。しかし、一部の研究では、歯ぎしりが家族内で多く見られるケースもあると指摘されています。これは、家族が同じような噛み合わせや顎の形状を持つ可能性があるため、あるいは同じ生活環境やストレス要素にさらされる可能性があるためと考えられています。

歯ぎしりには多くの原因と対策がありますが、最も重要なのはその原因を正確に特定し、個々に適した治療を行うことです。

歯ぎしりに困っている、気になっている場合は、お気軽に当院までご相談ください。

まとめ

歯ぎしりの原因から対策、治療法に至るまで、多角的に解説してきました。
歯ぎしりは、ストレスや噛み合わせ、睡眠環境など、多様な要因が影響を与えますが、対策は、日常生活で簡単に取り入れられるものが多いです。

しかし、習慣化した歯ぎしりで疲れが取れない、ストレスが緩和されないなど、身体的な影響を感じている場合は、医師へ相談するようにしてください。

札幌市東区北30条東の加藤歯科医院

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