歯科用語集

歯冠 歯根

用語 読み方
歯冠 歯根 しかん しこん

歯冠 歯根

これは、歯の図ですが、このように歯は歯冠と歯根にわかれます。
歯冠は、歯の見えている部分で内側から歯髄象牙質エナメル質でできています。
歯根は、見えない部分で歯髄象牙質、セメント質でできています。
歯根は歯根膜を介して歯槽骨と結合しています。これは、解剖学的歯冠、歯根です。

その他に、臨床的歯冠、歯根があります。

かむ力が強い方は、歯が歯槽骨の中にめり込んだ状態になります。(圧下されているといいます。)
そうすると、外から見たときに,歯冠の高さが低く見えます。これを、「臨床的に歯冠が低い」といいます。
臨床的に歯冠が低い時に問題になるのは、かぶせ物が取れやすいということです。
どんなに気を付けて削っても、歯の高さがない場合には、強い力で接着することができません。
そのために、短期間で外れてしまったり、外れたことに気が付かない場合には、虫歯が進行してしまう場合があります。

逆に、歯周病などで歯ぐきや歯槽骨がやせてしまった場合には、歯が長く見えます。それを、「臨床的に歯冠が長い」といいます。
歯冠が長くなり、その分歯根が短くなると、歯は動きやすくなってしまいます。

臨床的歯冠長と歯根長のバランスが良い状態の歯
この状態の歯は臨床的歯冠長と歯根長のバランスが良い状態です。
骨にしっかり支えられているので、歯は動かずに、しっかりとかむことができます。

歯ぐきと骨がやせてしまったこの状態の歯
しかし、歯ぐきと骨がやせてしまったこの状態では、臨床的歯冠長が長くなり、歯根長が短くなります。
支えが少ないので、はがうごきやすいのは理解しやすいと思います。

硬いものが噛めなかったり、無理をすると歯が抜けてしまうこともあります。
このような場合は、歯周病が安定しているという条件が付きますが、歯を連結することで動きにくくすることができる場合があります。
ただし、その場合は、それぞれを平行に削らなければいけません。
しかも、細くなっている根本よりももっと歯冠を削らないと、かぶせ物が入らなくなります。
そのため、どうしても形成量が多くなり、神経のある歯では、神経を取る治療が必要になる場合があります。

私たち歯科医師は、このようなことも考慮に入れながら、治療をしているのです。

この記事の執筆者:加藤 誠也

加藤歯科医院 院長 加藤 誠也
医療法人社団 加藤歯科医院 理事長
加藤 誠也

1984年(昭和59年)北海道大学歯学部卒業卒業と同時に、北海道大学歯学部第二保存科(歯周病科)へ入局、1994年(平成6年)札幌市東区にて、加藤歯科医院を開業、現在に至る。
インプラント学会所属。年間100本以上のインプラント埋入の実績を持つ。

  • 日本口腔インプラント学会
  • 北日本口腔インプラント研究会
  • クリニカルヘルスプロモーション研究会所属
  • その他、多数の学術セミナーの終了認定証を受ける

加藤院長の書籍(共著)「人はなぜ歯科医院にいくのか」

加藤雅也 共著 人はなぜ歯科医院に行くのか?

札幌市東区北30条東の加藤歯科医院

北30条東8丁目のバス停から徒歩1分、駐車場13台分完備

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