歯科用語集

歯垢(しこう)

用語 読み方
歯垢 しこう

歯垢とは、歯磨きをしてしばらくすると歯に付着してくる白っぽいねばねばした付着物のことです。
ちょっと見には、食べかすのように見えるのですが、それは細菌の塊です。

細菌が、歯に付着すると糖分を分解して、不溶性グルカン(多糖類)を作り出します。
そうすると、それを足場として他の細菌もどんどん集積してくるのです。
そして、糖分がくるたびに酸を作り出し、歯を溶かしていくのです。
歯垢の中では、唾液の緩衝能が効きにくくずっと酸性度が高い状態が続いてしまいます。
また糖分が来なくても細菌が体内にためた糖分で酸を作り出すために、さらに継続的に歯を溶かしていくこととなります。
この機能の高いのが、ミュータンス菌です。

歯垢は、1000分の1グラムの中に、2億匹も存在するといわれています。
想像もできないような数の細菌が、口の中で増えてしまうのです。

歯垢の除去には、歯ブラシなどで物理的にとることが重要です。
洗口剤では、歯に強固に付着した歯垢を取り除くことはできません。
歯ブラシで、一本ずつ丁寧に磨いていくことが重要です。
また、歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間の部分には、糸ようじ(フロス)を用いて食べかすとともに歯垢を除去するようにしてください。
歯と歯の間は、虫歯の好発部位になります。

歯垢の中には、歯周病菌も存在します。歯垢を放置していると、歯周病にもなりやすくなります。

歯科医院では、歯垢を染め出してどこに歯垢が残っているかを調べることもできます。
歯を、近心遠心、供促、舌側の4面に分けて歯垢の付着状態を調べます。
目標は、20%以下ですが、達成できている方は残念ながら少ないのが現状です。

歯磨きは、習慣的にすることですので、どうしてもご自分の癖が出てしまいます。
磨いているのだけれども、虫歯ができてしまう、歯ぐきの出血が止まらない、などとお感じの方は、歯科医院で、ご自分のブラッシング方法のチェックを受けてください。
正しいブラッシングを、習慣にすることで、ご自分の歯を守りましょう。
老後の後悔の一つに、歯を大事にすればよかったということがあります。

歯が悪くなると健康状態も悪くなりますし、第一毎日の食事が楽しめなくなってしまうかもしれません。
ぜひ、正しいブラッシング方法を身につけるようにしてください。

歯は本来つるつるしているものです。いますぐ、ご自分の下の奥歯の内側を、舌で触ってみてください。つるつるしていれば合格です。
しかし、だんだん歯垢がついてくると、ざらざら、ぬめぬめしてきます。
そうなったときが、ブラッシングタイムです。歯垢を落とすには、空磨きで大丈夫です。
唾液は、飲み込んでも胃の酸が殺菌してくれます。そして定期健診で、歯の着色と歯石(これはブラッシングでは取れません。)を取ってもらえば、お口の健康を守ることができます。

この記事の執筆者:加藤 誠也

加藤歯科医院 院長 加藤 誠也
医療法人社団 加藤歯科医院 理事長
加藤 誠也

1984年(昭和59年)北海道大学歯学部卒業卒業と同時に、北海道大学歯学部第二保存科(歯周病科)へ入局、1994年(平成6年)札幌市東区にて、加藤歯科医院を開業、現在に至る。
インプラント学会所属。年間100本以上のインプラント埋入の実績を持つ。

  • 日本口腔インプラント学会
  • 北日本口腔インプラント研究会
  • クリニカルヘルスプロモーション研究会所属
  • その他、多数の学術セミナーの終了認定証を受ける

加藤院長の書籍(共著)「人はなぜ歯科医院にいくのか」

加藤雅也 共著 人はなぜ歯科医院に行くのか?

札幌市東区北30条東の加藤歯科医院

北30条東8丁目のバス停から徒歩1分、駐車場13台分完備

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